PAST OF PHANTASY3話

どこかの会議室のような大きな部屋。レイキャシールとレイマーが話をしている
「ハムサ、調子はどうだ?」
結構背が高く、筋肉質だが細身で、服は影で隠れてしまってよく見えない
「はい。駆動機関、各神経回路共に異常無し。ハッキング等外部からの侵入もありません」
ハムサと呼ばれた冷たい声で話すレイキャシール。こちらも背が高く細身で、白と青のボディパーツだ
「そうか。指令は入ってないな?」
「大丈夫です」
「よし、なら軍部からの指令を受けてもらいたい」
「わかりました大佐。詳細は?」
「うむ。まずは・・・」

「せ、先輩あれ!」
メイの指差した先に小さなドラゴンのようなエネミーがいる
「こいつで最後かしら・・・!」
「他のエリアは全部調査したはずですから間違いないです!」
雄叫びをあげるその小さなドラゴン
「じゃあさっさとサンプル取って帰るわよ!もうこんな暑いところこりごりよ」
そう言って敵に近づくブラック
すると突然何か青い光線のようなものを放ち、それが直撃
「きゃ!」
1〜2メートルほど吹き飛ばされる
「先輩!むやみに近付いたら危険です!」
「いたたた・・・そんなこと言ったらどうすればいいのよ!?」
「私に任せて下さい」
ライフルに持ち替える。ウォルスMk−2。本星でも有名な長銃職人が作り上げた傑作だ
「そんなのでちまちまやってたら日が暮れちゃうわよ?」
「いえ、狙うのはエネミーだけとは限りませんよ?ふふっ」
そう言ってメイが銃を敵の頭上の壁に向ける
「・・・一体何の真似よ?」
「まあ見ててくださいって」
ウォルスから黄色いフォトン弾が放たれる。弾丸は一直線に壁に当たる
すると壁の一部分が崩れ、敵に突き刺さる
ちょうど敵の真上には石で出来た氷柱の様なものがたくさんあったのだ
「へぇ・・・少しは賢くなったわね」
ぽんぽんとメイの頭を叩くブラック
「えへへ・・・私も一応勉強してますから。とりあえず、サンプルだけとって帰りましょう」

「よし、このくらいでいいかな」
エネミーの体の一部を試験管のようなガラスのチューブに入れる
「じゃあ帰りましょう、リューカー出しますね」
そういってメイがテクニックを唱えようとした瞬間
「ちょっとそこの二人!ここにいるってことは自警団の参加者だよね!?」
「は、はい!?」
突然一人のハニュエールが声をかけてきた
背はブラックと同じくらい、紫がかったピンクのショートヘアで服も紫色
「そうだけど、それが何か?」
「八神穹っていう黒い服したヒューマー知らないかな?この辺に来てるはずなんだけど・・・」
「八神・・・あー!あの八神さんかな?」
そう言い終らないうちにそのハニュエールがメイに飛びかかる
「そう!その人その人!どこにいるかとかわからない!?」
「あわわわ、ちょっと落ち着いてください!私は面識はありますがここでは見てないですよ」
メイがそういうとしょんぼりした顔をして手を離す
「はぁー、やっぱ見当違いだったのかな・・・」
「おや?なにやら騒がしいと思えば草薙じゃないか、今度はその二人と対戦するのか?」
まるで図ったように八神が現れる。草薙と呼ばれたそのハニュエールがクルリと方向転換して八神の方を向く
「出たな八神!今度こそ決着つけてやる!」
突然紫色の剣、ラヴィス=カノンを持って八神に襲い掛かる
「おいおいおい、またいきなりなやつだな・・・!」
飛びかかってきたのをチェインソードで受け止める
「やあっ!えい!まだまだ!」
「よっ、はっ、こなくそ!」
ラヴィスカノンとチェインソードが激しくぶつかり合う
「お前最近怠けてるだろ?前回勝ったからっていい気にならん方がいいぞ!」
チェインソードがラヴィスカノンを弾き飛ばす
「うわっ!?」
「はい、俺の勝ちだな」
チェインソードを草薙の首元に当ててニヤリと笑う八神
「くう・・・また来る!」
飛ばされた剣を拾ってリューカーで消えてしまった

「おっす二人とも。なんかの調査でもしてるのか?」
何事も無かったかのように八神が歩いてくる
「このエリア一体のエネミー調査ですけど・・・さっきの方は?」
「あいつか?あいつは草薙杏。数日に一回ああやって俺の前に現れて勝負を仕掛けて来るんだよ
 あいつはハンターズ養成学校時代からの天敵でな。いや?ライバルと言った方がいいのかな」
「天敵ですか・・・私の天敵はせんぱ・・・痛っ!?」
メイが言い終わる前にブラックが頭を殴る
「痛いです!まだ天敵は先輩だなんて言ってないじゃないですか!」
「・・・今言ったじゃない?」
「あ!あう・・・」
ブラックがものすごい形相でにらみつける
「さーて・・・覚悟はいいかしら・・・?」
手をポキポキと鳴らすブラック
「え、えっと・・・よくない・・・です?うわあああぁぁぁーーー!」
メイがすごい勢いですっ飛んでいく
「あ!?待ちなさーい!」
逃げるメイを猛スピードで追いかけていく
「お、おい!俺のこと忘れてないかー!?」
誰かの声が聞こえたような気がしたブラックだが、そんなことは二の次だった

3話完

2話へ  戻る  4話へ