PHANTASY FANTASY1話

「ん、うーん・・・朝・・・かな」
寝ぼけた声で一人の男が目を覚ます
「しっかし嫌な夢だったよなぁ・・・いきなり首元をザクッ・・・だからなぁ」
頭を掻きながらベッドから出て着替え始める、フォーマーの服だ
「んー?なんかメールが入ってるぞ・・・誰だよこんな朝っぱらから・・・」
彼は自分の小型PCに入っているメールをチェックして・・・
「なになに・・・いつまで寝てんだいい加減起きろ・・・ってあ、ああーー!!」
突然大声で叫んだ
「今日朝8時に待ち合わせの約束だったの忘れてたー!!」
今の時間は大体9時を過ぎたころ、約1時間の遅刻である

「ったくお前の寝ぼすけぶりは相変わらずだなぁ・・・RALK」
深いため息を漏らしながらレイマーらしき人物がいう
「申し訳ない・・・」
RALKと呼ばれたさっきのフォーマーが苦笑しながら話を続ける
「普段はこんなに遅くはならないんだけどね・・・悪い、許してくれよJOH」
「んー、許してやってもいいがその代わり・・・」
「そのかわり?」
「今日の飯おごりな」
満面の笑みでJOHが言う
「・・・へいへいわかりました・・・」

「ふわぁ〜あ・・・でJOH、何でまた俺を呼んだんだ?しかもこんな朝早くに・・・」
まだ眠いのだろうか、大きなあくびをひとつしてからRALKが言った
「それなんだがな、お前に頼みたいことがあるんだ」
「なんだ?ヘブンストライカーの実験に付き合ってくれとでも言うのか?」
「んなことフォースのお前に言ってどうするんだ」
RALKの冗談交じりの返答にJOHが即答する、この二人にはよくある光景だ
説明が遅れたが、RALKとJOHは互いが互いを「相棒」と認める存在で、
ダークファルス討伐のメンバーの中にもこの二人がいた。
「実はな、総督府から極秘に依頼があったんだ・・・」
「総督府から?まさか新セントラルドーム建設の手伝いでもしてくれと?」
ダークファルス、オルガフロウ、サンテミリオンが撃破され、ひとまずの脅威はなくなったという総督府の判断で
パイオニア2は本格的な移民を再開し、新セントラルドームの建設があらかた終わっているところである
「そんな依頼だったらなにも非公開に依頼してくることはないだろう・・・」
JOHがため息混じりに言う
「ここだけの話だぞ?なにを間違えてもコレだけは絶対に他言するな」
「わ、わかってるよ」

・・・・・・・・・・・・。


「ガルダバル島にエネミーが集結してる?」
「わっ、バカ、声がでかい・・・!」
「わ、悪い悪い。んでそれを排除しろって依頼か?」
「ああそうだ、本来なら俺が行ってやりたいところだが、あいにくヘブンストライカーの実験の日と作戦決行日が重なっちまってな
それでお前に頼もうと思ったわけだ」
「でも何でJOHのところに依頼が来て俺のところには連絡ひとつないんだ・・・」
RALKが愚痴をこぼす
「まあお前はあまり総督から信頼されてないみたいだからなぁ、あっはっは」
「じゃあなんでそんな奴にお前がこうやって話してるんだよ」
ものすごい不満そうだ、信頼されてない、の一言がよほど気に障ったのだろう
「まあそう怒るなって、こういう極秘事項はまず相棒に持ちかけるのが普通だろ?」
「・・・少々不満だけどまあいいだろう」
「ん?不満ならやらなくても良いんだぞ?他の人に頼んでくるかなぁー」
「ま、まったまった、不満などひとつもございません、喜んでお受けします」
「そう?それならよかった」
なにやら満足げな笑みを浮かべてJOHが言った

「じゃあ来週の1時にここにいってくれな、一通り総督から話があって、すぐ出発らしい」
そういって地図らしきものをRALKに渡す。地図の真ん中に赤いしるしがしてある、そこに行けということだろうか
「わかった、来週の1時だな、それまでに準備しておくよ」
「午後だから寝坊することもないだろ?わはは」
・・・むかつくが返す言葉がない
「おっと、こんな時間だ、じゃ俺は師匠のところ行かないといけないからこれにて解散ということで」
「おうよ、実験がんばれよ」
「お前もなー」
右手を顔の辺りまで上げて見送るRALK
「さて・・・忙しくなりそうだ」

1話完

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