PHANTASY FANTASY6話

「ラフォイエ!」
「えーいっ!」
RALKがラフォイエで敵を一掃している隣ではACEがフロウウェンのレプリカソードで敵をなぎ倒す
「もう!何でこんなときに限ってこんなにエネミーがいるのよ!」
夜行性のトーロウ、バルマー、メランなどが20〜30体ほどいる
「俺の知った事か!エネミーに聞けぇ!」
そういって銀色の剣で敵を真っ二つに切り落とす
そして最後のエネミーを倒し、二人が大きく息をする
「ふー、ようやく全滅か」
「あ、ちょっとまって、ここじゃない?」
そういってACEが指差した場所は・・・

「洞窟・・・か?いや、これは自然に出来たものじゃない・・・明らかに人口の建造物だ」
「え?私には普通の洞窟に見えるけど・・・」
たしかにACEの言うとおり、洞窟の周りには草が生い茂っている。形もそんなにいびつと言うわけでもない
「あれを見ろ・・・あれは鉄の支え、家でいう梁のようなものだな」
「崩れないようにって事ね・・・どちらにしても、進むしかなさそうね」
「そうだな・・・行くしかないな」
二人は洞窟の内部へ足を進めた・・・

「ん・・・んー・・・ここは・・・どこだろう・・・」
FINEが目を開ける、洞窟のようなところだ。少し暗い・・・結構深いところなのだろう
「と、とりあえず武器が無事かどうか・・・あ、あれ?て、手が動かない・・・」
よく見ると両手両足を椅子のようなものに縛り付けられている
「くっ・・・と、取れない・・・どうすれば・・・」
渾身の力を込めて手足を動かす。しかしかなりきつく固定されてるのだろうか、取れるどころか動く気配すらない
「もう・・・どうなってるのよ・・・」
「やっとお目覚めかい?ずいぶん寝てたじゃないか・・・フッ」
さっきFINEを連れ去ったフォーマーだ、捕まったときに顔だけは確認していたのでわかった
「あ、あなた・・・私を一体どうしようって言うのよ!?何のつもりでこんなこと!」
「まぁまぁそんなに怒らないで・・・可愛い顔が台無しですよ?フッ・・・」
そんなこと言われた事がなかったので少し赤面しながら
「なっ、なによ!余計なお世話よ!そんなことより離しなさい!」
「騒がしいぞ、何をしている?」
扉のようなものが開いて、ヒューキャストが出てきた
「あ、あなたこの間の・・・」
「フン・・だからあの時帰れと言ったんだ・・・まあ、お前はそのうち連れて来ようと思っていたから
 手間が省けて助かったわ・・・ふはは」
「ど、どういう意味よ?はじめから私を拉致しようとしていたって事?」
「フン・・・それはまたいつか話すとしよう・・・単刀直入に言わせてもらおう
 わが組織、ブラックブラッドに入隊するか、洗脳されるか・・・どちらを望む?」
「ブラックブラッド・・・聞いた事があるわ。不正に改造された武器を乱用し、軍部の制圧を目指しているとか・・・
 そんな暴力集団、入りたいわけないじゃない」
軽くあざ笑うようにFINEがそう言った
「そうか・・・なら仕方ない、洗脳を施すだけだ・・・アレを使え」
そう言うとフォーマーが注射器のようなものを取り出す、中には緑色をした不気味な液体が入っている
「な、何をするつもりなの・・・」
「フッ・・・そこまでいちいち言わなきゃダメですか?こいつが洗脳薬ってやつですよ・・・」
そう言って服の胸の辺りを脱がし始める
「いっ、嫌ああっ!やめて!やめなさいよ!」
恥ずかしさから顔を真っ赤にして動けるだけ抵抗する。しかし手足を固定されているため、ほとんど動けない
「フッ・・・哀れですなぁ・・・お仲間のハニュエールの娘も今頃海岸でくたばってるでしょうねぇ・・・」
「なっ・・・あの子に何をしたの!?許さないわよ!」
上半身を完全に脱がされた状態でそう叫ぶ
「今の貴女じゃ説得力なんてないですよ・・・フッ、そろそろ覚悟はいいですか?」
そう言って注射器を自分の顔の辺りで少し押す
中の液体が噴出す。恐ろしさのあまりFINEが震えだした
「くうっ・・・(も、もう・・・だめなの・・・?)」
「怯えてる顔もまた可愛い・・・ですが、もうじき楽になりますよ・・・フッ」
下を向いて、目をつぶり、もうダメだ!っと思ったその瞬間

「ゾンデ!」
どこからかRALKの声がして
「ぐわっ!くそ・・・一体誰だ!」
ゾンデが注射器に直撃し、粉々に砕け散った
「女性一人を男二人がかりで酷い目に合わせようとは・・・ちーっとやりすぎやしねぇか?」
扉が開き、RALKとACEが出てきた
「ふ、二人とも・・・なぜここを・・・」
目に大粒の涙を浮かべてFINEがかすかな声で言った
「いやー門番の兵士を倒したら運良くそいつが地図持っててねー、最短ルートで来れたぜ」
「FINE!私たちがきたからもう大丈夫だよ!」
「フン・・・調子に乗りよって・・・3人まとめて始末しておけ」
そういってテレポートのようなもので消えてしまった
「フッ・・・そういうことです、お三方にはここで死んでいただきましょうかねぇ・・・」
「待ちな、3対1じゃ明らかに有利だろ?まずは俺と戦え、二人に手を出すのはその後だ
 ACE!FINEを頼んだぞ」
「わかった!」
「フッ・・・面白い方ですね・・・それでいいならいいでしょう」
「ならば・・・!」
RALKが銀の剣を持つ、敵が持っているのはデモニックフォークだろうか?
「そ、その剣は・・・!あの伝説の・・・」
突然相手がへたへたと膝をついてしまった
「ん?どうしたんだ?さっきの威勢はどこに消えた」
「貴方・・・その剣は何処で・・・」
「お前に答える必要はない。戦うか、戦わんのか」
「フッ・・・私の負けですよ・・・その剣には敵わない。どうぞ斬ってくれ、その剣に斬られるなら本望だ」
立ち上がり、両手を広げ無抵抗の合図をする。RALKが近づいて
「そうか、それならば・・・グランツ!」
相手を光が包み、爆発する。倒れたフォーマーの非常用転送装置に「恐喝、殺人未遂」とプログラムして
転送した。こうするとパイオニア2の警察局に転送されるようになっている
「お前なんかを斬りたくないと剣が言ったんでな・・・」

「よし、もう大丈夫だろう。FINE平気だったか?危険な目に合わせてすまなかった」
「ごめんねFINE・・・もう少し気づくのが早かったらこんなことにはならなかったかも・・・」
「そ、そんなことないよ・・・私がドジだったばっかりに・・・謝るのはこっちのほうよ、二人ともホントにごめん・・・」
涙をぼとぼとこぼしながらそう言った
「と、とりあえずよ・・・服着てくれよ、目合わせられないぜ・・・」
RALKが恥ずかしそうにそう言う
「え・・・あ、あぁ・・・ごめんごめん」
一気に顔が真っ赤になる、上半身裸だったのを忘れていたようだ
「ドジなお姉ちゃん・・・ふふっ」
RALKに聞こえないような小声でささやいた
「も、もう・・・」

「あなたたち、こんなところで何してるの?ここが何処だかわかってるのかしら」
不意に後ろから声がした。声の主は・・・紫がかった青い髪をしたハニュエールだ
すると突然
「うそ・・・どうしてあなたが・・・生きてたの・・・?」
FINEが心底驚いた表情で彼女を見る
「私よ、SHAINEよ、覚えてる?FLORA・・・」
「な、なぜ私の名を知ってるの?SHAINE・・・そんな人、聞いたことないわ。とにかく、すぐに立ち去ることよ」
そういい残して去って行った
「そ、そんな・・・覚えてないなんて・・・あれほど仲良しだったのに・・・」
FINEが涙を浮かべる、ACEとRALKが不思議そうに
「あの人とは友達だったの?それにSHAINEって・・・」
「FLORAとか言ったか・・・何故生きてるって、どういうことだ?」
「話した方が良いかな・・・今でも忘れられない、あのときの事・・・」

6話完

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