PHANTASY FANTASY13話

「ククク・・・」
レイマーが不敵な笑いを浮かべる
「俺一人銃じゃ釣り合わないだろ?これならいいだろ・・・」
そういって手に持った武器は
「なんだあれ・・・見たことない武器だ」
「ソード・・・みたいな大きな剣・・・」
「でもあんな形見たことないわ」
その剣は刀身がソード並の大きさで、刃の部分が薄い黄色をしている
「知らないのも無理はない・・・名前だけは教えてやろう
 ダークフロウ・・・そう、ダークフロウだ」
ダークフロウという言葉を聞いた瞬間
ドクン
「はうっ!?あぁ・・・う・・・うぅっ・・・」
突然ACEが持っていた武器を落とし、胸を強く押さえてうずくまる
「ちょっ!?ど、どうしたの!?」
ミズキが駆け寄る
「はぁ・・・む、胸が・・・熱い・・・はっ、はぁっ・・・」
片手は胸を押さえたまま、もう片方の手が地面をつく
一方のレイマーは
「な、なんだ?剣が・・・動かん・・・」
構えた位置から剣が微動だにしないらしい
「何バカなことやってんのよ、そんな意味わかんない演技なんかしてないでさっさとやっつけてよ!」
フォニュエールがあきれた顔で言う
「違う・・・本当に動かん・・・まるであの女と共鳴しているようだ・・・」
「どういうこと?それ・・・」
「まるで・・・この剣があの女を斬るのを嫌がっているかのようだ・・・」
ダークフロウのフォトン部分が赤くなっていく
「あああっ!は、はっ・・・はぁっ・・・く、苦しい・・・っはぁ・・・」
それに同調するかのようにACEの顔が苦痛でゆがむ
「ど、どうしてこの子だけにこんな症状が・・・」
「俺の知ったことか・・・。いやまてよ、確かこいつの両親はオルガフロウの研究チームにいたらしい
 もしかしたらダークフロウに付着した侵食遺伝子に何らかの細工が施されていて
 危険信号のようなものが発せられるようになっているのかも知れん」
「じゃあどうすればいいのよ!?このままじゃこの子の精神状態が危ないわ
 このまま精神崩壊なんか起こしたらとんでもないことになるわよ!」
「そんなことはわかってる!ここからは俺の憶測だが、
 あの剣をレイマーの手から離す事ができればもしかしたら・・・」
「その憶測にかけるしかないわね・・・」
パルチザンを持つミズキ
「まずは取り巻きの二人を倒そう、レイマーは恐らく侵食遺伝子がACEと共鳴している間は剣を振れないはずだ」
ラムダージャンを持ち走り出すRALK
「俺はフォニュエールをやる!ヒューキャシールは頼んだぞ!」
「任せなさい・・・!」

「フォイエ!」
フォニュエールがテクニックを放つ
「そんなもの効かん!せえいっ!」
フォイエをラムダージャンの一振りで打ち消し、そのまま斬りかかる
「う、うそ!?きゃあっ!」
斬られる寸前に両手を顔の前にだして守ろうとする
「・・・あ、あれ?」
剣は出した手のすぐ前でとまっている
「斬るつもりなんかさらさらない、大人しく捕まっとけ」
RALKが両手をフォトン製の特殊な縄で縛る
フォニュエールがへたへたと腰を落とす
「う・・・こ、怖かったよぉ〜」
そのまま泣き出してしまった

「ふんっ!」
「てやぁ!」
セイバーとパルチザンがぶつかり合う
「へぇ・・・ニューマンなのに力ありますね」
「それはどうも。でも、褒めても何もでないわよ?出てくるのは・・・」
右手一本でヒューキャシールのセイバーをとめながら
「これ」
「あぐっ!?」
左手にセイバーを持ってヒューキャシールの腹部に突き刺す
ピーッ、セキュリティシステム作動、パワーオフ
機械音が聞こえてヒューキャシールが倒れた
「出番少なかったねー、あなた」
誰に言ってるのかわからない謎の言葉をかけて行ってしまった

「あとはレイマー一人だな」
「く・・・しかし、この剣を全く振れないこともない・・・いくぞ!」
「ここは俺に任せて、ミズキさんはACEを頼む!」
レイマーのほうに走っていくRALK
「せえいっ!」
「うおおお!」
ラムダージャンとダークフロウが激しくぶつかり合う
「ああああ!(お母さん・・・お父さん・・・苦しいよ・・・怖いよ・・・)」
剣がぶつかったのと同時にACEの悲鳴が聞こえる
「大丈夫!?もう少しだから頑張って!」
何がもう少しなのかわからないがミズキが必死に声をかけ続ける
「(くそ・・・もう剣自体にダメージを与えられない・・・)」
「フン・・・あの女がそんなに気になるのか?そんな力のない太刀では俺は倒せんぞ・・・」
すると突然ラムダージャンが光り始めた
「うわっ!?な、なんだ・・・!?」
「ま、まさか・・・!」
レイマーが光に目をくらませて隙ができたその瞬間
「くらえぇ!」
ザシュゥ
「ぐおお・・・!」
レイマーの胸の部分にラムダージャンを突き刺す
その剣はいつしか銀色から金色に輝きが変わっていた
「こ、こんなところで真の姿・・・エクスキャリバーになるとはな・・・運が悪いな」
レイマーが倒れる。ダークフロウが元の薄い黄色に戻った
「エクスキャリバー・・・親父・・・なんであの時こんなものを俺に・・・」
金色に輝くその剣を見て一人つぶやいていた

「はぁ・・・はぁ・・・終わったんだね・・・」
「大丈夫だったか・・・?」
RALKが近寄る
「大丈夫なわけないよ・・・すっごく苦しかったんだから・・・!」
力いっぱい抱きつくACE
「そうだよな・・・ごめんな、苦しい思いをさせて」
彼女の頭をなでる
「あ、そうだ・・・その剣、ちょっと貸してもらえないかな・・・?」
RALKがダークフロウを手渡す
「ん?ちょっとその剣についてる青い丸いやつ・・・ACEの持ってる剣にぴったりはまるんじゃない?」
ミズキが指摘する
「もしかして・・・この剣・・・お母さんが作った・・・?」
ダークフロウの柄と刃の間にある丸いコアのようなものを取り外して
自分のダブルセイバーに空いていた穴のような部分にはめ込む
「ぴったりだな・・・」
するとダブルセイバーが突然光を放ち始め、コアの部分から立体映像で一人の女性と男性が映し出された
「お、お母さんと・・・お父さん・・・!」
ACEが目を見開いてそう言った

13話完

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