PHANTASY FANTASY15話

何故・・・何故・・・親友と思ってたのに・・・仲間だと思ってたのに・・・どうして・・・?
もう何も信じられない・・・いや・・・だ・・・怖い・・・怖いよ・・・
あれ・・・あの光は・・・いったい・・・

「ほら、こっち!みんな待ってるよ!」

「だ、誰・・・?私はもう何も信じられない、そこにいるあなたが誰だとしても!」
「私だとしてもダメ・・・かな?」
そこにはFINEの深層心理に入り込んだリンメイの姿があった
「え・・・!?なんでここに・・・」
「そんなことより、みんなあなたが帰ってくるのを待ってるよ!?私も、あなたの親友も」
「うそ・・・うそよ!私はその親友と思っていた人に殺されたんだ!
 もう私は一人・・・自分の気持ちをわかってくれる人なんていない・・・」
詰め寄るFINE
「そんな・・・孤独な人間の気持ちがわかるとでも言うの!?」
FINEが言い終わった後、不意にリンメイが彼女の左頬に平手打ちする
「あなたは・・・何もわかってない!FLORAは・・・ずっと泣いてるんだよ!?
 自分のせいだ、自分のせいだって・・・食事もままならないみたいで、随分やつれちゃってる・・・
 彼女は・・・親友であるあなたのことをずうっと考えてるよ!?」
「うそだ・・・みんなそうやって私を陥れようとしているんだ・・・!
 そんなやつが・・・わかった風な口をきかないでよ!」
セイバーを取り出してリンメイに斬りかかる
しかしそれを片手で受け止める。その手からは血がしたたり落ちる
「もういいよ・・・あなたの気持ちはよくわかった・・・
 でもこれだけは言わせて・・・あなたは・・・いや、お前は・・・
 孤独に堕ちたんじゃない、孤独にすがりついているだけなんだ!
 人の気持ちも考えないで、それこそわかった風な口をきくな!」
そういったきりリンメイは消えてしまった
「私は・・・孤独にすがりついてる・・・?そんなことない!私は・・・
 FLORA・・・FLORAに会いたい・・・会って話がしたい・・・」

すうっと視界が開けた
「あれ・・・ここは・・・」
「あ・・・気がついたのね・・・!」
FLORAが目にいっぱいの涙を浮かべて抱きついてきた
ふとリンメイを見ると、満面の笑みでVサインをしている
「ごめんね・・・ごめんね・・・ぐずっ・・・ひっぐ・・・」
何か言っているようなのだが声が震えていてよく聞き取れない
「私こそゴメン・・・心配かけちゃって・・・」
優しく彼女の頭をなでるFINE
よくみると確かに随分やせている
もう声が出せないほど泣き崩れているFLORA
「こんなにやせちゃって・・・もう心配させないからね
 ずっと一緒だよ・・・って、あら?」
気がつくといつしかFLORAは気持ちよさそうに寝ていた。ファルナとリンメイもいない
「メールがきてる・・・」

『今日はもう遅いから帰るよ。
ね?彼女はずっとFINEのこと心配してたんだよ
こんなにいい親友を持ってるなんて・・・うらやましいなぁ
じゃあ、また今度ね!
PS:あのセイバー結構痛かったぞ!』
リンメイ

「やっぱりアレは夢とかじゃなかったんだ・・・」
あの時の光景を思い出す
「さて、私も寝ようかな・・・って、このままじゃ風邪ひいちゃうよね・・・」
FLORAを自分のベッドに入れる
「大きいやつでよかったよ・・・」
そして寝ようと仰向けになった時
「んーっ・・・」
FLORAがこちら側に寝返りをうつ
「(って、ちょっ・・・手が思いっきり胸に・・・っ!)」
寝返った拍子にFINEの胸を掴んでいた
「な、何してるのよこの子は・・・っ!FLORAのエッチ・・・」
顔を真っ赤にして慌ててFLORAの体を元に戻す
「もう・・・おやすみ!」
布団を頭までかぶって寝てしまった

でも・・・ありがとう・・・リンメイ、ファルナ・・・そしてFLORA・・・

15話完

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