PHANTASY FANTASY16話

yukiたち3人は・・・

「もうすぐつくのかなぁ・・・」
地図を見ながら歩く
「あ、ちょっとごめん、メールきちゃった。お母さんの入院してる病院からだ・・・なんだろう?」
「母上殿は入院してるのでござるか?」
SHIONがたずねる
「うん・・・何かは知らないけど病気らしいの。えっとなになに・・・
 『あなたのお母さんが発作を起こして今非常に危険な状態です。すぐ来てください。
 お兄さんにはすでに伝えてありますので』・・・う、うそ・・・」
「すぐに行ってあげないと駄目なんじゃないですか?私達のことは大丈夫ですから」
「う、うん!行ってくる!」
大急ぎでリューカーをだして消えていった

「うわっ!?」
いきなりなんでもないところで転ぶ
「い、いたたたた・・・」
「おやおや・・・大丈夫?」
yukiが見上げるとサングラスをかけたフォニュームが立っている
「あ、えっと・・・だ、大丈夫です・・・ってあれ!?帽子!帽子がない!」
両手を頭に当てて慌てふためいてるとスッとフォニュームが帽子を差し出す
「これだろ?慌てすぎだよ」
そういってフォニュームが笑う
「え、えと・・・あの・・・あ!ありがとうございました!」
何かを思い出したように走っていくyuki
「あ、お、おい(ちぇっ、また失敗か・・・)」

「お母さん!」
病室に駆け込むyuki
部屋には医師が一人、看護士が一人とRALKがいた
「yuki!遅いぞ!」
「ごめん・・・それよりお母さんは?」
「見てのとおり・・・」
医師と看護士が暗い表情で母親のいるベッドを見る
顔にハンカチが載せられ、呼吸器や心電図の金具が外されている
「え・・・嘘でしょ・・・?嘘だよね・・・?悪い冗談でしょ・・・?」
3人は何も言えない
「嘘・・・嘘だと言ってよ・・・冗談だって言ってよ・・・ねぇお母さん・・・
 冗談でしょ・・・私を驚かせようってみんなで嘘ついてるだけでしょ・・・?ねぇ・・・返事してよ・・・お願いだよ・・・」
母親だった「それ」にしがみついてむせび泣く
「この前来た時はあんなに元気そうだったのに・・・なんで・・・」
すると突然
「う、げほっ!げほっ!ごほっ!」
突然咽だすyuki
「お、おい大丈夫か?」
RALKが心配そうに近寄る
「だ、だいじょう・・・ぶ・・・」
立ち上がった瞬間にフッと支えが無くなったかのように倒れる
「yuki!全然大丈夫じゃねえじゃねえか・・・」
医師が近づく
「極度の精神疲労ですね・・・ついさっきまでラグオルでテクニックを使っていたのでしょう
 そのすぐ後に精神的ショックを受けるとこういう事が多々ありますね」
「ど、どうすれば・・・」
「安静にさせること、この子くらいの年齢ならすぐ良くなりますよ」

「あ、帰ってきた」
RALKが洞窟に戻ってくる。SHION達も合流していた
「む、yuki殿は一緒ではござらぬのか?」
「ショックのあまり寝込んじまったよ・・・お袋は死んだ。最期の言葉も聞いてやれなかった・・・」
「それは大変だったでしょう・・・少し休まれては?ここは私たちに任せて」
KASTLEが言う
「いや、俺は平気だ。敵の本陣がもう目の前にあるのにそんなことしてられっかよ」
「5人で勝てるかしら・・・敵は恐らくかなりの武装をしてるはず」
ミズキが心配そうに言う
「だからといってここで逃げるわけにもいかないだろ?進むしかないんだ」
歩き出すRALK
「(お袋・・・アンタには何もしてやれなかったな・・・親孝行してやりたかったな・・・)」

16話完

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