PHANTASY FANTASY19話

「クックック、ようやく来たな・・・待ちくたびれたぞ」
扉の先にはあの黒いヒューキャストと、エネミーが数匹
「お前がこの組織のトップってわけか・・・もうエネミー狩りが嘘の依頼だってことはわかってるんだよ
 嘘の依頼で優秀なハンターズをふるい落として、そいつらを無理やり組織に連れ込むって魂胆だろう?」
「ほう・・・やはり優秀なハンターズだな。そう、今回の依頼は全くの嘘
 一番初めにディメニアンと戦っただろう?あれは精巧に作られたロボットエネミー
 あれで貴様らハンターズの能力計測をしてたんだ」
「通りであの時いつもと違うと思ったのね・・・」
「しかし、貴様らは少し頭が良すぎた・・・これ以上組織に被害が出る前にここで消えてもらうぞ」
取り出したのはチェインソードとスプレッドニードル
「気をつけろ!あの武器は特殊な改造をしてあるはずだ。あいつは俺がやるから3人はエネミーの排除を頼む」
「ふん、まずはお前だ!ラルク=フロウ!」
スプレッドニードルを発射する
「バーカ、射程外なんだよ・・・って、なに!?」
その弾丸はライフル並の射程で迫ってきた
「動けないだろう・・・ククク、終わりだ!」
チェインソードをRALKに振り下ろす
ガシィ!
「むっ、何だ?」
「yuki!お前・・・」
ソードの刃を赤色のセイバーで受け止めるyuki
「これが私にできる精一杯・・・」
「くそっ、邪魔だチビ!」
ヒューキャストがyukiの頭を殴る
「はうっ!?」
その場に倒れる
「ちっ、邪魔しおって・・・今度こそ食らえ!」
チェインソードで斬りつける
「ぐあああああっ!」
肩から腹部にかけて斬られ、力尽きる
「RALK!そんな・・・」
「ふん、口ほどにもない・・・さあ、残りはお前達だ」
FINEとACEを見る
「あんなやつ正攻法じゃ勝てない・・・どうしようACE?あれ、どうしたの?」
ACEは立ったままうつむいている。顔が見えない
「お前・・・お前・・・よくも仲間を・・・お前えええぇぇぇ!」
持っていたダブルセイバーを投げ捨て、青いクローを右手にはめる。鬼のような形相になり、牙が数センチにも伸びている
「ちょ、ちょっとACE!一体どうしたの!?」
「ウゥーウ・・・ウガァ!」
ヒューキャストに斬りかかる

「はっ!」
ミズキの一門突き、敵が2〜3メートル飛ばされる
「これで全部かな?長かったねぇ」
8対30というの全く勝ち目のないような戦いをものの30分で片付けてしまった
「FREEDが始まった早々にどこかへ行ってしまったのは少し気になるでござるが・・・」
「多分ですけど・・・BELのところにいると思います。BELっていうのはこの組織の真のボスなんです
 ZEETっていう黒いボディのヒューキャストが表ではボスのような働きをしていますが
 本当はBELっていうフォマールが組織を動かしてるんです」
FLORAがそう言う
「とにかく、次の部屋に行こうぜ。4人で倒せる相手には思えなくなってきた」
ポルセニが扉を開けると
「こ、これは一体・・・」
部屋の奥には二人倒れている。ヒューキャストらしきボディパーツが粉々に破壊されて散らばっている
そして部屋の端には
「や、やだ・・・いや・・・やめて・・・本当にどうしちゃったの・・・」
「グルルルル・・・」
そこには青いクローを持った悪魔のような顔をして部屋の端を睨みつけるACEと
その部屋の端に怯えきった顔で力なく座り込んでいるFINEがいた
「まずい!俺が止めに行く」
ポルセニが走り出そうとするのをミズキが止める
「待って!あの子を止められるのはニューマンだけよ」
そういって飛び出していった
「止まりなさい!敵はもういないよ!」
FINEとACEの間に両手を大きく広げて立ちはだかる
「・・・あ、あれ?先輩・・・何してるの?」
ACEの顔が普通にもどり、牙もなくなる
「はふー、何してるのじゃないわよ・・・自分の持ってるものをよくみて」
「・・・また・・・やっちゃったんだ・・・私・・・」
「まだ抑えきれてないのね・・・とにかく、RALKとyukiをメディカルセンターに運ばないと」
「いや、その心配はいらない。yukiは気絶してるだけ、RALKも斬られてはいるが傷も浅い
 このくらいならこいつの生命力だ、放っておいても起きる
 それより、なんだ?あの異様なまでの威圧感・・・」
ポルセニがACえに聞く
「う・・・えっと・・・それは・・・その・・・私からは・・・言えないです・・・」
「詳しいことはいえないけど、それでもいいなら私が話すよ」
ミズキがACEの隣に立つ
「この子はね・・・ごくまれに覚醒するのよ・・・大切な仲間を失ったりしたときにね。「悲しみの遺伝子」と名付けられたそれは
 ものすごい強大な力を与える代わりに、自我を失い、残酷なまでに標的を粉々にするの
 この子は特にヒューマン、アンドロイドに強い憎悪を持っていて
 それがその遺伝子でさらに増幅されるから、私のようなニューマンじゃないと止められないの
 その憎悪の元は・・・話しちゃいけないんだよね?」
「うん・・・できれば・・・話して欲しくない・・・もう思い出したくないから・・・」
「そういうことだから、ここまでしか話せないわ(私だって思い出したくない・・・あんな・・・あんなこと・・・)」

19話完

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