PHANTASY FANTASY最終話

「逃げ切れたか・・・」
なんとか崩壊する前に逃げることに成功し、洞窟の外に出る
少し間をおいた後爆発音が何度か聞こえ、洞窟だった場所に大きな穴が出来る
「終わった・・・か・・・」
「おーい!RALK!」
レイマーが一人こちらに走ってくる
「JOHか・・・どうしたんだ?」
「どうしたじゃねぇ!大変なんだ!総督府の連中がハンターズ達と突然暴動を起こし軍部と戦闘中で、かなりおされてる!」
「なに!?まさかあいつの言ってたさらなる強敵ってまさか・・・場所はどこだ!?」
「ルプスの森周辺だ!やつらセントラルドームを占拠してたてこもっているらしい」
「ここからルプスの森って・・・とても間に合うような距離じゃないんじゃ・・・」
FLORAが話に割って入る
「その心配はいらん、軍の輸送機をパイロット付きで借りてきた!あっちだ!」
JOHに連れられルプスの森に急ぐ

森では未だ総督府と軍部の戦闘が続いている。銃声が轟き、閃光が辺りを照らす
森のいたるところに軍人やハンターズ達が倒れている
「セントラルドームはまだ未完成というがそれでも十分要塞としての機能は果たせるようになってるはずだ・・・
 そんなもんどうやって攻略するんだ?」
「たしかに正面突破は99%無理だ。だがこのドームは未完成の部分がまだ多く残ってる
 軍部の連中はここの修復を仕事にしているからその穴を数多く知っている
 しかし総督府には詳しい情報までは伝えていなかったらしい」
「なるほど・・・いくつかに別れたほうがよさそうだな・・・4つに別れよう。俺とJOHとポルセニでひとつ、FINE、FLORAとミズキでひとつ
 SHIONとKASTLEにyukiでひとつ、リンメイ、ファルナ、ジンでひとつの4つだ
 そこに案内役として軍部の人間を一人ずつ入れる」
「よし、それでいこう。各自でハンターズを倒して中心部へ向かう。そこで合流だ」
ポルセニがそう言い走り出す
「じゃあみんな、また中でね」
yukiたちもドームに向かう
「みんな生きて帰るんだよ・・・危なくなったら絶対に無茶しないでね」
ミズキたち3人がドームの後ろ側に回りこむ
「よし、俺達も行くぞJOH」
ポルセニを追いかける二人

「遅いぞお前ら!いくらなんでもこの数を一人は危なくてしかたねぇ」
約10人を相手に頑張っているポルセニ
「おいJOH見せてくれよ、ヘブンストライカーの実力をさ・・・」
「・・・まかせろ」
そう言うとヘブンストライカーに何か念をこめる
すると天から紫色の閃光が降り注ぎ、敵がいっぺんに吹き飛ぶ
「へー、すごいんだな」
「まあな・・・しかし、実験の結果時間によってこの技が使えなくなる事がわかった
 だからあと10分程度しか使えない」
「そのくらいあれば十分じゃないか?RALKが怠けなければの話だが・・・くくっ」
ポルセニが笑いながら言う
「お前それ何年前の話だ・・・もう忘れろー!」
「はっはっは!早くしないと時間がなくなるぞ!」
3人は階段を駆け上っていく

「ここがこのドームの中心部らしい、総督もここにいると見て間違いない」
「しかしJOH、護衛が誰もいないのは怪しいんじゃないか?ここまで全く戦闘がない」
先ほどの戦闘以来一度も敵に遭遇していないのだ
「まあ行ってみなきゃわからん、この扉だな?」
ポルセニが扉を蹴開ける
「おや?遅かったな」
「お前・・・FREED!」
総督に剣を向けるFREEDがそこにいた
「こいつがブラックブラッドの本当の指導者だ。俺も最近知ったんだがな・・・」
「ならお前はその仲間に何故剣を向けているんだ?」
「なんだ?俺は兄貴の力に惚れ込んでこの組織に入っただけだ
 兄貴亡き今、俺はブラックブラッドではない。一人の命知らずなハンターさ・・・
 まずはこいつをはやいとこ連行しておいてくれ、俺は話をしたい人がいる」
そういって総督をRALKに突き出す
「まさか最後は味方に裏切られるとはな・・・わしも終わりだな」
「そうだな。まあ、他のハンターズたちにさっさと武装解除を命じて警察局に行こうぜ」

こうして戦いは終止符をうった。総督コリン=タイレルは刑法によりパイオニア2を追い出されることになった
そしてブラックブラッド幹部の唯一の生き残りだったFREEDだが
セントラルドームでの働きが認められ罪を問われることはなかったらしい
そして他の仲間は・・・
FINEとFLORAはハンターズを引退し、二人で仲良く若いハンターズの先生をしているそうだ
生徒からの評判もよく、うまくやっていっているらしい
リンメイ、ファルナ、ジンとも昔から交友があったためかよく一緒に遊んでいるとのこと
ポルセニは全くの謎。失踪したというわけでもないのだが、連絡がとれていない
まあ、アイツらしいといえばアイツらしいが・・・
ミズキは本当に失踪した。ACEの死がよほどショックだったのだろう
ある日突然、だれにもなにも言わずに自分の小型PCと置き書きを部屋に残して忽然と姿を消したそうだ
置き書きには「終わりの無い旅に出ることにします。」そう一言書いてあっただけだという
SHIONとKASTLEは伝説の4刀を封印できる場所を探す旅に出た
まあ彼らはそれが本来の目的だったそうだから心配することでもないだろう
JOHはまだハンターズをやってはいるが本業にはしていないらしい
今は民主国家を作り上げるために政治家として奮闘しているそうだ
そして俺とyukiは未だハンターズとしてラグオルで頑張ってる
ハンターズの数が減ってきているから、昔より依頼が多い
といっても、昔みたくハードなものは無いけどな・・・
yukiにはもう危ないから辞めろといったんだが、なかなか頑固でまだ続けている
もうあいつに危ない思いはさせたくないのが本音なんだが・・・

「お兄ちゃん、お兄ちゃんってば!お腹すいちゃったよ、早く帰ろうよー」
「え!?あ、悪い悪い、ちょっと考え事しててな」
「またこの前のこと思い出してたの?」
「あぁ・・・そんなところだな」
夕日に染まる海岸にたたずむ二人
「ずーっと思ってたんだけどさ・・・お兄ちゃん・・・ACEのこと好きだったんでしょ?」
「・・・はい?なにをいきなり」
yukiの一言にものすごく驚く
「あはは!顔真っ赤だよ!やっぱそうだったんだ〜」
「うるせー!そんなことない!」
「顔にそう書いてあるもーん、バレバレだよ〜」
転送装置のあるほうに走っていくyuki
「まったく・・・まあ・・・」
何か聞こえないような声でつぶやくRALK
「お兄ちゃん!はやくはやく!」
「あーわかったわかった、今行くから」
RALKも転送装置のほうへ歩いていく

まあ、好きだった・・・けどな・・・

PHANTASY FANTASY完

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