PHANTASY OF POEMS 2話

「二人ともいるいる、久しぶりーっ!」
どこかで見たようなその女性の顔が確信に変わった
「おぉ、ナティルか!?ミリアも一緒か!」
「うん!二人とも懐かしいなぁ」
この二人もゾンの幼なじみだ。ナティルと呼ばれたヒューマンの女性は
アルよりも暗い色の茶髪でショートヘア。ただ彼女と違い襟足がはねていない。
黒と灰の長袖を着てアルと同じメーカーのものだろうか?白いショートパンツと黒いニーソックスをはいている
背はアルより頭ひとつくらい低い。しかしそのナティルよりもっと低いミリアと呼ばれたニューマンの女性
深い赤色の髪がお尻の辺りまで伸びていて、左右に2本みつあみで編んでいる
服装は青みがかった緑の肩口の見える半袖とひざ上辺りまでしかないスパッツを合わせている
「でもこうやって4人そろうのって何年ぶりだろうね・・・?」
「5年くらいじゃないかな?ちょうど私がその年にガーディアンズ訓練校に入学したころだから・・・」
その後5年ぶりの再会を懐かしみ話に花が咲いたのはいうまでもないだろう

そして1時間ほどしたあと

「ところで、ナティルとミリアはどうしてここに?」
「アル、その言葉を待ってたのよ!私たちがここに来た理由は・・・」
「ボクたちが二人の指導教官なんだ」
ミリアの言葉に驚いた表情で顔を見合わせるゾンとアル
「おいおい・・・さすがに冗談だろう?」
「あ、今私たちで大丈夫なのかって思ったでしょ!?私は一応4年の実戦経験あるんだからね」
「ボクだって1年の実戦経験があるもん。ガーディアンズでは二人よりも先輩なんだから!」
得意げな表情をして自信たっぷりといった感じのミリア
「教官を引き受けるガーディアンの数が少ないみたいで、ちょうど今年の新人研修に二人の名前があったから
 ミリアも誘ってみたの。最低1年以上の実戦経験がないと教官ができないから、ぎりぎりセーフ」
苦笑いしながらナティルが続ける
「一応、正式にはゾンの教官が私。アルの教官がミリアになるから、覚えておいてね」
「といっても、せっかくこうして集まったんだから4人で行動しようよ。そのほうが楽しいし」
ニコニコとミリアが笑って話す
「それじゃーよ、早速その訓練とやらに行こうぜ。なんだかわくわくしてきたぜ」
「あはは、ゾンはそういうところ変わってないね」
アルが笑う
「うっせー!と、とにかくフライヤーベースに行こうぜ」
クルリと方向転換して歩こうとするゾン
「そ、そっちは逆だよ!こっちこっち」
ナティルが慌てて呼び止める
「む・・・こっちじゃないのか」
「あっはは!そのそそっかしいところも変わってなーい!」
女性陣3人に笑われる
「くう・・・情けない」
右手を額に当て落胆するゾンであった

「今回の依頼の内容は聞かされてるよね?」
「ああ、レリクス調査の障害になる、スタティリア・・・だったか?それを破壊すりゃいいんだよな」
ミッションの内容だけは既に聞いていたのでわかっていたが、それがどんなものなのかまでは知らない
「ええっ1?いきなりあんな依頼受けちゃったの!?」
突然ミリアが大きな声を上げる
「い、いや・・・教官も二人いるし、訓練生二人も成績優秀だから大丈夫かなぁって・・・」
苦笑いを浮かべるナティル
「そういう問題じゃないよ・・・ボクたち後衛なんだよ?」
かなり心配そうに話しているのだが、一体何を心配されているのか
その心配されているであろう二人はわからなかった
「な、何?そんなに大変なところなの?」
「う、うん・・・少しでも気を抜いたらすごく危険なところだよ」
そんな会話を隣で聞いていたゾンが突然笑い始めた
「っくく・・・あっはっは!」
「な、なによぉいきなり大声で笑い出して・・・」
「あっはは・・・すまんすまん、お前たちが本気でそんなこと考えてるのかと思ったらな・・・」
そう笑いながら話すゾンに少しムッとするミリア
「ボクは二人のことを考えて言ってるんだよ?」
「そりゃー考え過ぎってもんだ。な、アル?」
いきなり話を振られて少し驚くが
「あ、うん!私たちなら絶対大丈夫だって!」
そう笑顔で答えた
「ホントに大丈夫かなぁ・・・」
未だ安心しきった様子ではない
「とりあえず、フライヤーで目的地に向かうよ」

2話完

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