PHANTASY OF POEMS 4話

「うー・・・痛い・・・」
「ったく・・・変なこと言って逃げるからだ」
あの後結局ミリアはつかまってしまい、キツいお仕置きを受けたのであった
「まぁしかし・・・どうやらそのおかげで目的地に着いたみたいだがな」
ゾンが指差した先には巨大な扉のようなものが崖から突き出すようにして建っている
「ふふふ・・・実はボクはコレを狙って走っていたんだぞ!」
「ま、それはないとして。ホラ、上見ろよ」
ミリアが上を見るとそこには巨大な赤い影が空中をくるくると飛び回っている
「さしずめ草原の支配者だな・・・アルとナティルは何処にいる?」
「ま、まだ結構遠いところにいるみたいだよ!」
草原の支配者、ディ・ラガンが二人の前に降り立つ
「ど、どうしよう・・・」
「どうするもこうするも、やるしかないんじゃないか・・・?」
ツインセイバーを構え、ディ・ラガンに襲い掛かった

「あの二人、どこまで行っちゃったのよぉ・・・」
「レーダーには一応二人の影は映ってるけど・・・結構遠いところにいるみたいだね・・・」
一方のアルとナティルは、二人が大変な事態に直面しているとは露知らず
のんびりと歩いて目的地へと向かっていった
「そういえばー・・・アルってさ」
「うん?」
ナティルが次の一言を放とうとした瞬間に、前方から大きな音とともに地面がかすかに揺れるのを感じた
「なっ、何!?」
「なんか・・・大きな何かがこっちに走ってくる・・・?」
遠くの方から灰色の巨大生物が地響きを立てながら走ってくる
「なに・・・あれ・・・」
「噂には聞いたけど・・・あれがコルトバの変異種・・・ゴル・ドルバ・・・?」
見た目はコルトバに似ても似つかない。不気味な低い鳴き声をあげて突進してくる
二人は左右バラバラに攻撃をかわし、それぞれ武器を持つ
「倒さないといつまでも追いかけてくるよね・・・」
「だよね・・・さながらストーカーのようにね」
「冗談言ってる場合じゃないと思うよぉ・・・」

「っち!また飛びやがって!」
ゾンとミリアはディ・ラガンに苦戦していた
「飛んじゃうとハンターは攻撃できないもんね・・・」
飛び上がってしまうと攻撃が届くのはミリアの弓だけ
「降りてきたら何処を狙えばいいんだ?」
「頭だよ。あそこがこの敵の弱点だから」
ラガンが二人の前に着陸する
「うわっ!」
ミリアが着地の衝撃に巻き込まれ数メートル転がる
「大丈夫か!?」
「いたたた・・・平気平気」
「よーし・・・そろそろカタつけるかな・・・!」
ツインセイバーのフォトンアーツ、ライジングクラッシュを頭、首に連続で放つ
「ほらほら!いい加減にしろっての!」
すると攻撃に耐え切れなくなったラガンが前足を大きく上げてスタンプ攻撃の仕草
「このやろ・・・手間かけさせやがる・・・!」
ギリギリまで攻撃を加えて、後ろに大きくバック転しながら間合いを取り、攻撃を避ける
するとまた飛び立とうと翼をはばたかせ始める
「こなくそ!飛ばれてたまるかよ!」
助走をつけ、ラガンの頭めがけて大きくジャンプ
そしてそのまま飛び上がった勢いと一緒に首元を狙って斬りつける

ゾンが着地したのと同時にラガンは崩れ落ちるようにして倒れた
「ざまーみやがれ、このやろう・・・」
「ゾンー!大丈夫!?」
ミリアが遠くから走ってくる
「おう。このとおりなんとも無いぜ?」
「でもすごいフォトンアーツだったね・・・あんなのあったっけ?」
「ん、ライジングクラッシュか?」
「違う違う。最後に飛び上がって斬りかかったやつだよ」
「あぁあれか。あれはフォトンアーツなんかじゃないぞ?」
「え?え?」
笑って話すゾンに対してミリアは頭の上にいくつも疑問符が浮かんでいる
「ま、それはおいおい話してやるよ・・・アルとナティルはまだこないのか?」
「今ちょうど連絡があって、ゴル・ドルバの排除作業におわれてたんだって
 ついさっき倒したみたいだから、もうすぐ来ると思うよ」
「それじゃ、二人が来るまで待ってるか」
ゾンはその場で横になり、グーグーと眠り始めてしまった
「このものの数秒で寝られるのも昔から変わってないんだ・・・」
あっけにとられつつ苦笑するミリアであった

4話完

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